2009年10月30日金曜日

NHK:「温暖化対策による家計負担額試算(36万円)は計算間違いだ」……かなり為にする報道ではないか?

テレビを見たらこんなことを言っていた:
NHKニュース “家庭負担36万円”は誤り:"温暖化対策による負担と経済効果を試算している政府の専門家グループは、麻生政権で行われた試算結果について、「温暖化対策で家庭の負担は36万円」という数値は不適切な計算によるまちがった数字で、温暖化対策で直ちに家計が悪化するという誤解が生じたとする中間報告をまとめました。

この中間報告は30日、総理大臣官邸で開かれた検討チームの会合で専門家グループから報告されたものです。それによりますと、麻生政権が3つの研究機関の試算を基にまとめた「温室効果ガスを1990年に比べ25%削減した場合、家庭の負担額は年間36万円に上る」という試算結果について、可処分所得の減少額22万円と光熱費の上昇の14万円という、本来なら足してはいけない数値を不適切に加算していたもので、「不正確な情報が国民に伝達され、まちがった数字が誤って広められていた」としています。"

まるで「麻生内閣は算数のやり方も知らない、36万円という数字は全くデタラメだった」と言わんばかりの報道だが、どうして所得(可処分所得)の減少額と光熱費の上昇額を足すのは「不適切な加算」なのだろう?

NHKではそのへん何も言っていないが、考えるに「収入減で可処分所得の減少が生ずればそれに応じて(従属変数である)光熱費も少しは下がるはずなので、もともとの光熱費をベースとして増加コストを計算してはいけない」とかいう重箱の隅を突っつくような新人研修的な話だろうが、そんな違いは誤差でしかない。わかりやすさの方が遙かに大切なのだ。それをあたかも「あの試算はすべて信用ならない、温暖化対策で国民負担は増えない」という風に持って行っているのである。

森鷗外や永井荷風も文壇でケンカするときによく使った姑息なやり方だが、ポリティカリーコレクトなNHKは結論だけを取りあげて、意気揚々。

専門家グループももし麻生内閣時代の試算が間違っているというなら、正しい数字をまず出すべきだろう。ご指摘のように「算数の問題」であるなら、正しい正解はすでにお持ちのはずであるのだから。「36万円ではなく35万9千円でした」と言うことなのか? またより厳密にと言うのであれば、光熱費の増加、可処分所得の減少、支出減、収入減、可処分所得の減少、光熱費の圧縮、所得減という一連の乗数効果を収斂するまで計算してはどうか。36万円よりもっと増えるのではないか。

日航再建案策定の焦点は「企業年金の減額」だけなのか?

今朝の日経一面。「今後の再建案策定の焦点は企業年金の減額となる」とある:
NIKKEI NET(日経ネット):主要ニュース-各分野の重要ニュースを掲載: "政府が日本航空の経営再建を促すため、包括的な立法措置を検討していることが28日明らかになった。金融機関の融資に対する政府保証や、日航が支給する年金の強制的な減額などが柱。空港着陸料の引き下げなど航空会社の支援策を盛り込む可能性もある。経営責任を徹底的に追及し、公的資金投入に伴う国民負担をできるだけ抑える。"
悪い奴に責任を取らせるのは大いに結構。でも叩く相手を間違えているのではないか?

日航がこれだけダメになったのは、今まで族議員や地方自治体が政治的にごり押しして赤字必至の路線新設を強引に日航に押しつけたことにある。その赤字分を黒字路線(都市路線)の「かさ上げ料金」でカバーするべく国土交通省はいろんな参入障壁とかで制度化しようとしたが国民も馬鹿ではないのでうまく行かなかっただけの話。責任は都市住民の負担による地方へのバラマキ政策にあるのである。

「経営責任を徹底的に追究する」と言うが確かに日航経営陣の責任は重い。つまり「お上の言うままに唯々諾々と安易な経営した」と言う意味においてこそ経営陣の責任が追及されるべきだ。従業員は確かにいいお給料を貰っていたらしいが「責任」があったと果たして言えるのか。

この問題は民間企業である日航一社の問題ではない。日航に採算の合わない路線を政治的に押しつけ、おかげで大儲けした人たちが「食い逃げ」するのを許してはならないだろう。この問題はマクロで考えるべきだ。すなわち地方自治体にも応分の負担も求めるべきである。

2009年10月26日月曜日

「鳩山演説に熱狂する議員たちはまるでヒトラーユーゲントみたい」(谷垣禎一)

これは一応「名言」だと思う。鳩山演説には抽象的な総論が目立ったが、ニッポン人はよく抽象的な言葉に熱狂し、ヒステリーみたいになって踊るのである。戦前の歴史を見ればわかるし、酒井法子に対する国民のリンチ的感情を見てもわかる。これこそファシズムの始まり。谷垣は所詮負け犬だが、負け犬だけに世の中の流れをよく見ている。

誰にも反論できない「総論」をまずぶちあげ、法的拘束力を持たせ、その後で自分の都合のいい「各論」をどんどんやっていく。反対する人が現れれば「あんたたちはわたしの最初の総論に賛成していたではないか、これは決まったことだ」と言ってねじ伏せる。これはニッポンの農水族がノーソンへのバラマキと利益誘導を正当化するために戦後一貫した使ってきた常套手段だった。

鳩山由紀夫もそのへんを見て育ったからよく知ってるわ。

ニッポン人は時々抽象的な言葉に踊らされるという点について、塩野七生もいいことを言っている:
「安倍さんには芸がない。日本人は時々狂ったように抽象的なことを言い出す」(塩野七生、日経インタビュー)‥‥女史この他にも名言を大連発!

2009年10月24日土曜日

国債利払い費、税収の2割超す……これは日本の「階級固定化」につながる傾向である

また今日も憂鬱なニュース:
NIKKEI NET(日経ネット):国債利払い費、税収の2割超す 09年度見通し、政策財源に使えず:"2009年度の新規国債発行額が50兆円を超す見通しになるなか、国債の利払い費が膨らむ可能性が強まっている。国の税収に対する利払い費の比率は10年ぶりに20%を超え、政策に使える税収が一段と減る見通しだ。利払い費に償還分も合わせた国債費全体では20兆円を超え、社会保障費の25兆円に迫る。政府は利払い費の増加リスクを抱え、難しい財政運営のかじ取りを迫られる。"
「ナントカせねばならない」とはみなさんおっしゃるが、結局みんななにもする気はないので、この比率はどんどん高くなるだろう。前代未聞? そうでもない。過去にも同じような例がある。

つまり「何とかする」為にやることは次のことだが、まずできないのだ:
  1. 生きてる国民から税金を取る。つまり所得税、法人税、消費税などを増やす。でも生きてる人間は「票」をもっているので、これは出来ない。
  2. 死んだ人間から税金を取る。つまり相続税率を上げる。でも相続する人間は生きているので、これまた不可能。
  3. 歳出削減をする。でも国民のほとんどは税金のバラマキのおかげで食っているので(なんせ国民の54%は既得権階級らしい)これも難しい。今回補正をちょっといじっただけであの騒ぎだ。
  4. デフォルトかインフレで借金を踏み倒す。しかし「営々として築き上げた」内外価格差を考えれば物価は下がる方向にしか動かない。いくら国内付加価値部分だけの価格を上げようとしても物価全体がデフレであれば、経済は不況にこそなれインフレとはならない。踏み倒すのは難しい。デフォルトは面子があって出来ない。

結局、なにも出来ないので、国債の利払いはどんどん膨れ上がらざるを得ない。歳出の半分ぐらいになるまでには時間はそう掛からないだろう。本来ならキャピタルフライトが起きても不思議はないのだが、ニッポンの大金持ちは総じてローカルだから(そういう人にしかおカネが配分されない仕組みだから)幸か不幸かそういうことにもならない。公共事業をやる度におカネはイナカに回って、民間投資に回らず、郵貯や預金を経由して国債に戻る(こういうシステムを維持することこそ今度の亀井人事の狙い)。何とかなってしまうので、国債費だけはどんどん増えることになるのだ。

その結果、大惨事が避けられみんながハッピーみたいに見えるが、日本社会が払うコストは想像以上に大きい。経済が歪曲されるという以上に、社会階級の固定化というすぐれて社会的な問題が生じるからだ。

つまり資本主義というのは、勝ち負けのシステム。勝つときもあれば負けるときもある。商売で財産を築いても一度失敗すると無一文となる。30年以上続いているビジネスは珍しい。おカネを事業に投資しようと株を買っても一瞬にして吹っ飛んでしまうこともある。人に貸しても貸し倒れリスクがある。「奢れる平家も久しからず」という法則が維持されている「公平」なシステムなのである。しかし国債や、郵便貯金や保険で保障される預金(国債購入に使われる)は別だ。絶対安全な資産なのである。リスクを取らないお金持ちの資産は絶対に安全で利子分だけ確実に増えてゆく。元本保証されている上にレント(利息)の取り立ては税務署がやってくれるのでラクチン。こんないい投資はない。子孫にも確実に受け継がれる。「売り家と唐様で書く三代目」の悲劇は起こらないニッポンになるのである。

こういう話は前代未聞か? そうではない。明治時代の初期がそうだった。政府の予算の半分程度が固定経費である「金禄」の支払いのために使われたのである(金禄は国債の利子ではないが固定的で建設的でないという意味では同じようなものだ)。江戸時代に延々と続いた固定化された身分制度のおかげだ。年貢で集めた税金のほとんどは働かないサムライの生活費に回ったのである。これでは国が成り立たないとして立ち上がったのが大久保利通。金禄を公然とデフォルトさせた。ここ:

Letter from Yochomachi: 8/5 Today 「金禄公債証書発行条例」の公布(1876)……平成の日本も見習え!


大久保利通みたいな人が現れないと、ニッポンは国債利子でぬくぬくと食っている金持ちの支配階級と汗して働き税金を払う被支配階級とに二分化され、政府(公務員)は、江戸時代の幕府のように、支配階級の代理人として国民から税金を取って支配階級に分配(金利支払い)するだけの機関と化するであろう。由々しきことである。

2009年10月21日水曜日

国際VHF規制緩和にみるニッポンの規制社会、日本の人口の54%は既得権益でメシを食っている!

アイコンの国際VHF無線機が届く。ようやく型式認定が取れたようだ。スイッチを入れると、新宿にいながら東京港とか横須賀港とか千葉港とかでのやり取りが聞こえてきてオモシロイ。今まで悪名高いニッポンの規制のおかげで70万円もしていたものが、ヨット界あげての規制緩和要望を受けて、ようやく二万円程度で手にはいることになったのだ。ニッポンも少しづつだが、いい方向に進んでいるのか?   

無線局開設の手続きのために監督官庁である東海総合通信局(住んでる住所ではなく船籍場所の総合通信局に申請するのだ)に電話で手続きを問い合わせると、収入印紙の金額とか、申請書の必要部数だとか、さらに控え返送用の切手の金額だとか、いろいろ細かいことを教えてくれた。書類を送る前に電話すること。二度手間が避けられる。

レーダーの免許手続きも並行して進めているのだがと言うに、一本化して欲しいという。レーダーがある場合、VHF局開局申請書にその旨書けばいいだけの話らしい。レーダー免許を頼んでいる古野電気に電話してみると、あらら、びっくり。1ヶ月前に頼んだのだが、なにも進んでいない様子である上に、総合通信局がVHF免許と一本化しろと言っていると言うと、今頃になって、レーダーの現地検査が必要だとか、電気系統配線図を出せとか、ヨットの国籍調書が要るとか言ってくる。費用も膨大にかかる。アホらしいのでお引き取り願うことにした(直接申請する)。すると今までかかってしまった費用(4600円)は負担してくれと言う。こりゃ「手切れ金」だわな。安いし払うよ。

担当は決して悪い人間ではないようなのだが、ニッポンの規制と、その規制で喰っている連中(海事関係の司法書士とか言う連中)に振り回されている様子なのだ。日本の人口の54%は既得権で食っているという(エドワード・リンカーン)。それでみんなが幸せならけっこうなのだが、これではみんなが規制の「受益者」になったつもりで「みんなのお金」を自分たち用に引き出すだけの「花見酒社会」。みんながどんどんビンボーになってしまう。ウルトラウヨの亀井に振り回される鳩ぽっぽちゃんのニッポンもそんな具合に進むのではないだろうか。 

それにしてもエドワード・リンカーンは鋭かったね。15年前から(さらに小泉改革が始まってからも)ニッポンの行く末を正しく予言していた:



2009年10月17日土曜日

ブラジル大統領:「人類こそ絶滅危惧種、環境団体の言うことを聞いてる場合じゃない」

今朝のNHK衛星放送。最近はブラジルのテレビニュースも流されるので興味深い。その中でブラジルのブラジルのルーラ大統領が、同国サンフランシスコ川流域の開発プロジェクトに環境団体が反対を唱えていることについて、珍しいとやらのヘビやトカゲより現実に困っている人間を救うことの方が大切だと、上のようなことを発言していた。会場に集まったブラジル人は熱狂して大統領を支持していた。

こういう受け止め方は決して極端でも何でもなく、世界人口の大部分を占める途上国の人たちの普通の考え方だろう。先進国でもまだまだ「グリーン」は少数派だ。彼らは遅れているので啓蒙してやらねばならないと高い目線で粋がるのも結構だが、まず実態を正視するべきだ。NHKなどの日本国内向けの「国際番組」を見ていると、あたかも世界すべてが「環境環境、安全安全」と叫んでいるかのような錯覚を受けてしまうが、東京オリンピックの誘致スローガンは「世界の普遍的価値」となったはずの「環境と安全」であったものの、あまり世界にアピールしなかったことはご承知の通り。国内向けの放送の方が、「環境」をお金儲けの手段としようとする国内イナカ利権集団に阿て、ミスリーディングなのである。これではニッポンは世界からどんどんずれてしまうのではないか。

NHK衛星ニュースは、いままでアメリカ、中国、韓国、イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、ロシア、アルジャジーラなどのニュースを流していたが、今回ブラジルも入った。いいことである。

2009年10月15日木曜日

国土交通大臣:「訪日外国人を増やせ、観光庁予算は4倍に」……お金を遣うだけで外国人が来るもんでもないでしょう、ウヨを撲滅することが先じゃないか?

このニュース:
NIKKEI NET(日経ネット):訪日観光客2000万人目標、前倒しを: "国交相、観光庁発足1年で 観光庁が1日、発足から1周年を迎えた。前原誠司国土交通相は同日の記者会見で、2020年に訪日外国人数を2000万人に増やす同庁の目標について「あまりにも計画として甘すぎる。できるだけ前倒しする努力をしたい」と述べ、目標を上方修正する考えを示した。具体的な目標設定については月内にも新たな審議会を設け、策定する方針を明らかにした。

国交相は「パリやローマは1都市で年6000万~7000万人の外国人が訪れる。自然や文化遺産など観光目的が多い日本で現状はさびしい限り」と語った。政府は「10年に訪日外国人を1000万人」との目標を掲げていたが、それと並んで昨年10月の観光庁発足時に「20年に2000万人」との新たな目標も設定した経緯がある。

金融危機の影響もあり、09年の訪日外国人は600万人程度にとどまりそう。「10年に1000万人」の目標達成はほぼ絶望的。同日記者会見した観光庁の本保芳明長官は、この1年を振り返って「観光庁は数字を上げていくことが一番の仕事。数字が上がっていないのは申し訳ない」と陳謝した。(01:55)"
前原大臣の焦りは分かる。09年度の訪日外国人数は昨年度比2割減となった。みんな日本に来なくなったのだ。このままじゃニッポンはいよいよ世界のイナカと化す。でも今のシステムではお金をばらまいてもイナカの農村地主が儲けるだけ。またぞろ「リゾート法」の二の舞になる感じだ。

観光庁は、そもそも「観光」とはなになのか、もう一度「観光」の原義に返って勉強する必要がある。興膳宏氏の名コラムが参考になる:
Letter from Yochomachi: 9/27 Today 世界観光の日……日本一の「観光地」はどこ?: "「観光」の語は、『易経』に始めて見える。「国の光を観る。用て王に賓たるに利あり」とあるのがそれである。「国の光を観る」とは、国の盛んな繁栄の様を観察するということ。そうした輝かしさにあこがれて、多くの人々が国王の賓客になろうとする。

首相は新年の施政方針演説で、外国人を対象とした「観光立国」の政策を推進すると述べた。それはよいが、そのためには国が応援団ではなく、当事者であるとの立場をよほど自覚してもらう必要がある。"

そう、「観光」とは「国の光」なのである。ネットウヨが排他的ナショナリズムを臆面もなくわめき散らし、既得権集団がエゴばかり押し出してごねているような国に「光」はないのである。この辺を正すのが、まず一番望まれること。

このページにも触れてあるが、ニッポンで一番外国人観光客を引き寄せている場所はどこかご存じか。京都でもない、箱根でもない、銀座でも浅草でもない、別府でもニセコでもない、もちろん島根・山口や鹿児島の薩長イナカでもない。それは新宿なのである。新宿は観光庁なんかから一銭もお金を貰っていないはず。ただ外国人に対し寛容であり新宿の人口の10%は外国人だ。これが外国人を引き寄せている。ここ:
なぞなぞ「外国人観光客が一番訪れる日本の“観光地”はど〜こだ?」

イナカの地主を儲けさせるだけの「箱物観光投資」なんか止めて、みっともないネットウヨを撲滅することにお金をかけた方がよほど効果的だと思う。

2009年10月14日水曜日

NHKクロ現:コンビニで「サケ幕の内弁当」だけがなぜ売れる?

今晩のクロ現。クニヤが不思議がっていたが、不思議でも何でもないと思う:
クローズアップ現代 NHK10月14(水)放送コンビニ弁当 値下げ競争の舞台裏:”「便利さ」を徹底的に追求してきたコンビニエンスストアは、次々と新商品やサービスを開拓し、これまで不況知らずの成長を続けてきた。しかし、今回の未曽有の不況の中、かつて経験したことがない苦境に立たされている。その最大の要因は、弁当や総菜の落ち込みだ。飲料や雑誌など一緒に他の商品を買ってもらえる弁当は、最大の"キラーコンテンツ"と言われていた。この売り上げ減少の背景にあるのは、消費者の変化。スーパーや量販店が次々と売り出す激安弁当に客が殺到するように、「便利さ」よりも「安さ」が重視されているためだ。”

そもそもニッポン人は昼飯に拘りすぎだった。今朝のアホ朝連続ドラマを見たが、主人公の新しい職場の上司が食っている「愛妻弁当」に驚倒。昼間からかさだかい豪華な三重の重箱をむしゃむしゃ食っている。あれはいくらなんでも食い過ぎで、見ていてキモチが悪くなった。そういう平成ニッポンのバブル的風潮が見直されつつあるのが、今のコンビニ弁当の売り上げ不振の根本原因だろう。

コンビニでいま売られている弁当は、いずれもツーマッチでカロリーが高すぎる(だからあのまずい幕の内弁当を栄養士は薦めるらしい)。それが売れなくなったのはNHKクニヤは不況が原因だとかアホなことを言っていたが、今までがバブルで異常だったに過ぎない

先進国では、接待でもない限り、昼飯はホットドッグかサンドウィッチと決まっている。日本のバブル以降の食生活が食い過ぎでお金のかけ過ぎだったのである。昼飯なんかにお金を使わなくなったのは、とてもいい傾向である。

今までのこの異常な風潮を人為的につくり出して自分らが儲けようとしてきたのが「農村既得権集団」だ。マスコミを総動員して、本来は質実剛健だったはずの日本人を「オイシ〜!」絶叫連発のバカ民族に堕落させてしまった。あいつらがマスコミを通じてこういう国民洗脳活動をはじめて以来、ニッポン人は食いものことしか考えない卑しい民族になってしまったのである。悲しい哉。いまそれが通じなくなってしまったので彼らは慌てている。

ところが、今日スーパーに行ったが、主婦たちはいまだに商品の原産地表示を必死に見ている。国産食材は二倍もするのに、わざわざ選んでそれを買っているのだ。アホかと思うが、農協(全農中)のメディア支配力たるや、まだまだ恐るべし。国民の無知さ加減を増長させ、さらにそれにつけ込んで儲けようとするのは悪質である。でも、いまの不況で、すくなくともお父さんたちは食い物にお金を掛けなくなったとすれば、それはとてもいい傾向である。資本主義発展の原点が、食い物に対する出費の節約にあるのは、江戸時代の商家の決まり事を見ても明らか。ニッポンの将来のためにも、質実剛健の風潮が定着することが望まれる。

気象庁:民間気象会社(WeatherNews)は「業務条件を逸脱している」と注意

あらら、WeatherNews は気象庁様のご機嫌を損なってしまったみたい。さっきのNHKニュース:
NHKニュース 民間気象会社を口頭で注意: "今月、台風18号が愛知県に上陸したと気象庁が発表する直前に、民間気象会社が「三重県志摩半島に上陸した」という情報を発表していました。気象庁は、許可された業務の条件を逸脱しているとして、この会社を口頭で注意しました。"

この Weathernews にせよ Weather Report にせよ、民間の気象会社の予想はとても詳細できめが細かく、ヨットや漁船に乗る人たちはとても重宝している(例えばこんなことが分かる)。しかし今回、気象庁が「台風18号は知多半島に上陸」と発表する40分前に Weathernews が「志摩半島に上陸」と発表してしまったので、気象庁はカンカンに怒っているとのこと。こういう権威主義が日本をダメにした。

知多半島に上陸する前に志摩半島をかすっていったと言うことは十分考えられること。所詮台風がどこに上陸したかなにを以て言うかという定義上の問題であり、住民にとってはどうでもいいこと。しかも、その定義解釈上の判断であっても、今となってはどっちが正しいかは分からない。

ただ気象庁としては「おいらこそ気象の唯一絶対の判定者であり、おいらの言ったことが歴史的事実となるものである、民間が勝手なことをゴチャゴチャ言うな」というところだろう。どうもおかしいと思う。

わがニッポンでは「気象庁のお墨付きがないと」梅雨も終わらないし、サクラも咲かないことになっている。春一番にしても気象庁の御認定が必要。そのくせよく間違える。競争がないから相対比較の通信簿も付けられない。

こういうお役所の権威主義が日本をダメにしてきた。気象庁ばっかじゃないよ。

10/14 Today 鉄道の日:リニア新幹線なんかより大都市圏鉄道の標準軌化(改軌)の方が先じゃないか?

国土交通省のHPに因れば、今日は「鉄道利用者とのふれあいを持ち、これからの“愛される鉄道”を共に考える」日とのこと。下々の国民にも発言を許してやろうという目線の高い文章だが、折角の機会だからおいらも申し述べる。

国土交通省のページ:
10月14日は鉄道の日: "明治5年(1872年)10月14日に新橋~横浜間が開通した日本の鉄道は、国の発展に欠かせない基幹産業として、また最も身近な公共交通機関として、高速化・定時化・大量化・安全化に取り組み、経済活動の要、生活の足として、確かな基盤を築いてきたんだ。

このことを記念して、平成6年より10月14日を「鉄道の日」と定め、JR、民鉄等の鉄道事業者とその関係者が一堂に会し、鉄道の発展を祝うとともに、鉄道が国民に広く愛され、その役割について国民の関心が高まることを願って、多彩な行事を行うことにより、鉄道利用者とのふれあいを持ち、これからの“愛される鉄道”を共に考え、より一層の発展に寄与してるんだよ。"

JRの大プロジェクトといえばリニア新幹線。でも飛行機との勝ち目のない競争にバカなお金を使うよりもっと大事なことがある。ニッポンも、そろそろ世界でも例がすくない「植民地的な」狭軌鉄道から卒業し、線路の幅の広軌化(標準軌化)する時に来ているのではないか。せめて大都市圏だけでも早くやるべきだ。そうすれば台風が来たぐらいで首都圏JRが機能停止に陥ることはなくなる。車体の幅は同じでいいのだから新たな用地買収をする必要もない。リニアなんかよりよほど国民のためになるだろう。

日本での狭軌と広軌を巡る論争と改革の失敗については、ここが参考になる:
日本の改軌論争 - Wikipedia: "日本の改軌論争(にほんのかいきろんそう)においては、発祥時に1067mm軌間(狭軌)を採用した日本の国有鉄道(国鉄)が、1435mmの標準軌へ軌間を変更しようとした運動のことを記す。

日本の改軌論争は公共サービスの経済学において、国家的な政策と日々進歩する技術の両面が複雑に絡み論争を引き起こした最初の事例であり、ずっと後に至っても交通、通信、放送の分野において同様の論争が起こる度に「改軌の轍は踏まぬよう」という言葉が交わされている。"


これを考えさせられた契機は先日の台風18号。首都圏のほとんどの私鉄は運行しているのにJRだけが全面的に止まってしまった。風が吹くと止めることになっているらしい。それはJRが狭軌である以上仕方がないことらしいが、非常時にこそ公共交通機関の正常運行が求められるのに困ったことである。

この件については、小生ブログのコメント欄で詳しく説明してくれた人がいた。感謝する:
Letter from Yochomachi: なぞなぞ(JR系):どうして台風でJRだけが「運休」や「運転見合わせ」が多いのでしょうか?:”匿名 さんのコメント...
報道管制が引かれているようでマスコミは取り上げませんが、JR(旧国鉄)の線路幅は、狭軌と呼ばれる規格で線路幅が1067ミリです。
私鉄や一部の地下鉄は国際標準の広軌と呼ばれる規格で線路幅が1435ミリです。
JRでは新幹線だけが広軌の1435ミリです。
素人でも解るとおり、車輪の幅が約1mと1.4mでは安定性が全く異なります。
JRの狭軌は、軽自動車の車輪に大型バスを乗せているようなもので、風やカーブで転倒しやすい方式です。
今回の台風18号によるJRの大規模運休は、単に強風の影響ではなく、JRが狭軌方式を採用しているのが本当の理由です。
過去の鉄道事故でも、風やカーブで脱線転覆したのはJR(旧国鉄)が圧倒的に多いです。広軌方式の私鉄は転覆しません。
狭軌は、昔、植民地などに低コストで鉄道を敷設するために採用された簡易な鉄道規格です。
経済大国が、国土の大部分を狭軌方式の鉄道を張り巡らした例は日本以外にありません。
狭軌方式の鉄道で時速80Km以上は危険であるという研究結果を旧JRの鉄道研究所が発表しています。
JR福知山線事故は、広軌方式を採用して、新幹線と同じ性能と安全性を持つ関西の私鉄に、JR西日本が貧弱な狭軌方式の列車で速度競争を挑んだのが原因です。
残念ながら、この事実は、事故報告書でもマスコミ報道でも一切触れられていません。
時速80Km前後で走るJRの通勤電車、特急電車は、常に走る棺桶であることを国民は知る必要があります。
鉄道を利用するときは、広軌方式を採用している私鉄や地下鉄に乗りましょう。”

なぜ広軌に出来ないのだろうか。今さら広軌に変更すれば天文学的なお金がかかるというのは、どうも信用できない。レールをずらして、電車の下に取り付ける台車(車軸と車輪を組み合わせたもの)だけ取り替えれば済む話だ。車体の幅は広げなくても同じでいいのだから用地もホームもトンネルも今ののままで使えるはず。

きっと「JRは全国一律に同じ仕様でなければいけない」という「みんな一緒に」精神が問題を複雑化させているのだろう。巨大な通勤客輸送を必要とする大都市圏だけではじめればいい。JRは「安全安全」を言うのなら、風が吹いたらお休みというのではなく、改軌による抜本的な安全策を講じるべきだ。

2009年10月12日月曜日

前原大臣:羽田を国際ハブ空港化目指す……よく言った、前原!

今晩のこのユース。民主党政権も捨てたものではない:
NIKKEI NET(日経ネット):主要ニュース-各分野の重要ニュースを掲載: "前原国交相は羽田空港について「日本にはハブ空港が存在しない。来年10月に羽田の第4滑走路ができることを契機に(成田が国際線、羽田が国内線という)内際分離の原則を基本的に取っ払って、羽田の24時間国際空港化というものを徐々にめざしていきたい」と表明した。 (17:02)"
大阪や千葉県の知事たちは、ショックを受けている。いままで散々納税者のお金を、自分たちの利益のために搾り取ってきたのだが、そのシステムが成り立たなくなったことに憤慨しているのだ。でもザマミロだね。民主党もいいことをする。どんどん頑張れ!

ニッポンの空港は、まさに惨めな世界最低のシステムにまで堕落してしまった。既得権益集団やエゴ丸出しの地権者たちが自分の利益だけを追究してゴネまくり、アホなマスコミはそれを応援し、「民主的」な政府がそれに屈してしまった結果がこのザマである。イナカの既得権益者集団は大いに儲かったがが、ニッポンの国際競争力は、惨めなまでに低下してしまった。

国内農業を何としてでも守れというニッポンの農水族の論理もこれと同じ。自分たちへの利益誘導を主張するだけで、ニッポン経済全体への悪影響はまるで無視している。利権集団のエゴイズムは国を滅ぼすのである。

2009年10月11日日曜日

TBS:危険生物大図鑑……「自然」は危険でいっぱい、昔のニッポンもそうだったな

この番組、面白かった:
飛び出せ!科学くん 驚愕!最凶の危険生物大図鑑スペシャル - Yahoo!テレビ.Gガイド [テレビ番組表]:"「ココリコ田中が危険生物捕獲に挑む!」最も巨大で最も凶暴 世界一人間を襲うホオジロザメ。そんなホオジロザメの鼻に、船の上からタッチする男が南アフリカにいるという!そこで芸能界一サメ好きのココリコ田中が、ホオジロザメの鼻タッチに挑戦するべく南アフリカへ!果たしてその結末は!?「ほっしゃん。がグンタイアリの恐ろしさを体感!」筋肉を溶かす猛毒を持ち、集団で襲いかかるグンタイアリ。その恐ろしさを体感する為、コスタリカ共和国へと向かったほっしゃん。しかし恐ろしいのはグンタイアリだけではなかった。猛毒ヤドクガエル、吸血コウモリ、タランチュラ、次々現れる危険生物たち。そしてついにグンタイアリと遭遇!果たしてほっしゃん。の運命は!?ほか"
もともと「自然」とはこういうものなのである。危険でいやらしい生物でいっぱい。この番組でよく分かる。それを住みやすくしたのが「文明」というもの。

昔のニッポンでも「自然」は凶悪だった。ノミ、シラミ、ムカデ、ゴキブリでいっぱいだったのである。古事記でも書かれているし、江戸時代の芭蕉も嘆いていた。第二次世界大戦後の日本もムシだらけで、占領軍はDDTをまき散らした。

最近になってようやく日本も嫌らしいムシが少なくなってきた。ところがそれに対応してか、「生物多様性」を主張するへんな環境論者がのさばりはじめたのは困ったことである。ノミとシラミとゴキブリは、やっぱり絶滅させた方がいい。

2009年10月8日木曜日

なぞなぞ(JR系):どうして台風でJRだけが「運休」や「運転見合わせ」が多いのでしょうか?

NHKによると、今日の台風18号で、私鉄に較べ際だってJRの運休が多かったという:
NHK首都圏ニュース: "首都圏の鉄道は、台風が接近した午前8時前後から、JRがほとんどの路線で運転できなくなり、山手線が最高で4時間、京葉線が7時間、中央・総武線の各駅停車が6時間にわたって運転を見合わせました。

この影響で、あわせて2657本が運休し、296万人に影響が出ました。

JRによりますと、影響が出た乗客の数としては、過去最大規模だということです。"

6700人が線路を歩かされたというのだからすごい。これは全国の台風被害(暴風の最中に屋根に上がり落っこちて死んでしまわれたお年寄りなど)のなかでも、圧倒的に大きい国民経済的な損失ではなかったか。でも私鉄は平常通りに運行しているところがほとんどだった。なぜJRだけが運休? NHKはその謎に迫ってくれた:

要は、JRでは数年前の山形県の風による事故以来、風速がある一定程度(25メートル)を越えると自動的に電車を停止させる設備を導入し、風速計を首都圏180個所に設置したが、今回そのシステムが「作動」したので自動的に「運休」したとのこと。

「いや〜、さすがはJRですな〜。人命の安全を第一に考えている! なんせニッポンでは人命は地球より重いのだから当たり前のこと。エライ、エライ」

と、思うのは少数派じゃないか? とりわけ線路を歩かされた6700人の乗客はそんな風には考えなかったと思う。しょせん、今はやりの「安全、安全」を第一に考えておけば、おいらの責任は免れるという「JR的な事なかれ主義」体質の現れでしかないのではないか。これこそ進歩的というなら、私鉄は、儲け主義で、人命軽視をしているとでもいうのか?

わがニッポンでは「安全」と「安心」が最優先らしい。鳩ぽっぽ君の政策を見てもわかる。でも、たかがあの程度の風で都市機能が麻痺してしまうようなニッポンのインフラ整備状況は、まだまだ後進国並みではないか。クマ道路なんかにお金を回すのは止めて、少々の台風でもビクともしない都市インフラをぜひ整備して貰いたいものである。さもないと「クマ道路」をつくるお金すらニッポンは稼げなくなるのである。

2009年10月5日月曜日

日経:居住地域の満足度 北陸、北海道、東北が1位から3位までを独占、関東・近畿は最下位

「う〜ん」と考えさせられたニュース。おいらの実感にも合致している:
NIKKEI NET(日経ネット)居住地域の満足度、トップは北陸 民間調査:: "広告大手の博報堂が全国の約6千人に現在住んでいる地域の満足度についてアンケートした結果、北陸、北海道、東北が1位から3位を占めた。下位は近畿、関東と大都市圏を抱える地域だった。"

それなのに、ニッポンでは伝統的に大都市圏の住民からお金を搾り取って「可哀想な」イナカに回すという政策が「国策」として続けられてきた。民主党政権になっても基本的になにも変わらないでそれが継続されている。絞られるばかりの大都市圏住民はホントに可哀想。

この調査は博報堂がやった。レポートはここ。真面目な科学的調査だったみたい。

おいらは新宿とイナカの間を往復しながら生活しているから、そのへんがよく分かる。この調査結果はおいらの実感と合致する。田舎の人の方がよほどいい生活をしているのである。

無邪気に騙されて毟られるばかりだった貧乏な「都会もん」も、もうそろそろこの現実に気がついてもいい頃じゃないか?

2009年10月3日土曜日

2016年オリンピック、東京敗退 「環境と安全」のスローガンじゃ、しょうがないわな

「環境と安全」なんかには「もう、うんざり」という世界の「空気」が読めなかったのが、石原君の敗因だな。

オリンピックはしょせんお祭り。みんなが「どこにいってみたいか」で勝負は決まる。大会運営の完璧さなんかはどうでもいいこと。いい加減でも楽しければそれでいい。古来のオリンピックとはもともとそういうものだ。

その「いい加減さ」の面白さという意味では、東京は良い線を行っていた。街中に空中電線が張り巡らされた東京の都市景観は世界すべての近代都市に大きく見劣りし、まさに「巨大な農村景観」そのもの。とても「エキゾチズム」があった。それを武器に前近代的「エキゾチズム」を売り込めば、まだ東京にもチャンスはあったのかも知れないけれど、先進国の振りをして高い目線で「環境と安全」となんかやったのが間違いだった。

そもそも今のニッポンでヒステリー的に叫ばれる「環境と安全」なんかには、もううんざりしている人が世界には多いのである。それはさておいても、そもそも東京が「環境」を云々するにはまだまだ100年早い。ニッポンで叫ばれる「環境」とは、その対策でメシを喰おうとするイナカ利権集団が言い立てている政治的スローガンにしか過ぎない。イナカ利権集団への富の移転システムこそが「世界の潮流」だと誤解してしまったことが東京の敗因だった。ニッポンの常識は世界の非常識なのである。

その風潮に迎合して利得を得ようとするにせよ、「安全」を訴えるのであれば統制国家の大将である将軍様の方がよほど有利だっただろう。「環境」を言うのであれば、東京の貧弱な都市環境をすこしは先進国並みにして、国中のイナカに蔓延る税金で建てあげた醜悪な箱物とコンクリート構造物を撤去してから言って欲しかった。

リオデジャネイロは面白いと思う。あのめちゃくささが、とても真っ正直で、なんとも言えない。この機会にもう一度行ってみたいと思う。